史語所が所蔵する資料は、伝統的な文人や趣味人、あるいは世間一般の美術館や博物館が収集する名品コレクションとは違い、純粋に学術研究の対象として収集されたもので構成されています。これらの所蔵資料は主に現地での野外調査を経て収集されたもので、史語所の台湾移転以前に中国大陸で収集したものと、台湾移転後に台湾国内において収集したものの二系統に大別されます。

所蔵資料を材料別に見ると、石器、骨器、貝製品、土器・陶器、玉器、青銅器などの器物資料と、竹製・木製の簡牘資料と、紙製の檔案(公文書)や図書資料が挙げられます。時代別に見ると、古くは旧石器時代から、新しいところでは明代、清代はもちろん近現代にまでわたります。地域別に見ると、遠くはヨーロッパ、近くは台湾と多岐にわたりますが、大部分は中国大陸からの資料で構成されています。

これら所蔵資料の中で、図書資料と金石拓本資料が本所附属の傅斯年図書館に、明清時代の内閣檔案が明清檔案工作室に収蔵されているのを除き、残りの十四余万件の資料は全て当館が収蔵しております。資料の内わけは次の通りです。
 
  1. 史語所が台湾移転以前に中国大陸で発掘した考古遺物:計十万余点。中でも河南省安陽の殷墟遺跡の出土遺物は所蔵資料全体の約70%を占めています。その他にも、河南省の濬県辛村、輝県琉璃閣、汲県山彪鎮;山東省の済南城子崖、日照両城鎮;甘粛省の敦煌仏爺廟、武威喇嘛湾及び民勤三角城などの遺跡からの出土遺物があります。
  2. 19世紀のフランスの考古学者モルティエ(Mortillet)父子旧蔵のヨーロッパの旧石器:七千余点。
  3. 初代所長傅斯年が北京で購入した殷周時代の青銅器。
  4. 居延漢簡:一万三千余点。
  5. 中国大陸の民族学関連資料:約一千余点。